吃音の治療 [吃音]
心療内科医や言語療法士などによる一般的な言語治療を受けられる医療機関、民間の吃音矯正所、話し方教室なども含めれば、吃音の治療に関する施設は全国の至る所にあります。そして、症状や本人の意思力に応じてそれなりの成果を出しているのは確かです。
しかし、吃音の原因自体が明確に判明されていない事もあり、また吃音の症状は人によって個性が別れているので、「こうすれば直る」 という対処方法は未だ確立されていないのが現状です。矯正の為に行う訓練や心構えは、それこそ吃音の個性の数だけあると思って間違いないと思います。
私(管理者)も以前、一般の医院において言語治療の先生のところに通ってましたが、一年以上カウンセリングを繰り返した末に「君の吃音を直す能力は、私には無い」 と断言されました。
又、一般的な医療機関と違って民間の矯正所などは保険が利かないので、散々通って安くない費用を湯水のように浪費した末に一向に成果を出せなかった、という悲惨な例も決して少なくなく、むしろその方が「常識」とされている傾向もあります。
本を読んだり、専門家の話を聴く事も治療への第一歩ですが、どんな方法がベストな改善手段であるかは、自分の性分をよくわきまえた上で自分で見つけていかなくてはなりません。
吃音の原因 [吃音]
吃音の原因は、医学的にはまだ判明されていません。
吃音には、幼児期に吃りはじめて、成長していくにつれて次第に吃音が定着してくる発達性吃音と、事故による脳卒中など、脳に何らかの損傷が生じた際に引き起こす後遺症である獲得性吃音があります。後者はいわゆる通常の吃音とは異なり、失語症や構音障害に類型すると言われています。
吃音者の人口は世界的な視野から見ると、主に先進国に多いとされています。近代性や会話能力などを求められる事の比較的少ないとされている発展途上国などは幼児の吃音発生率も少なく、その為、ウェンデル・ジョンソン氏の有名な学説ですが、エキスモーや一部のネイティブアメリカンのように文明を無視して暮らしているような少数民族の間では吃音は存在しません。厳密に調べると、そういう少数民族の中でも幼児特有の言葉の詰まりや震えが現れる事はあるのですが、しかし、例えあったとしても、それを否定したり抑制しようとする常識が無いので自然と直っていく、と説明付けられています。この事からも吃音の原因が先天的なものではなく、周囲の環境によって引き起こすものであると断定することが出来ます。
吃音症とは? [吃音]
吃音症とは、どのようなものなのでしょうか?
吃音症は、言語障害の一種とも言われています。
ですから、話をするときに言葉に詰まったり、早口でしゃべったときに、
突っかかってしまうものとは異なります。
現在、吃音者と言われる方は、大人で0.8~1.2%、
学校に通っている年齢の子供で約1.2%、
5歳までの子供で5%というデータがあります。
このように、吃音症は、子供や幼児のような、
しゃべり始めて間もない小さい子に多い症状です。
その原因として、小さい子供は、まだ、左右の脳の機能の分化が進んでいないので、
それが影響していると言われています。
ですから、幼少期の吃音は、大人に比べ、治りやすい傾向があります。
しかし、ある程度成長し、学校に通うころになっても治らない場合、
周囲の反応を気にするようになります。
そして、吃音は、気にするとより定着してしまい、
治りにくくなるといった悪循環に陥ります。
そうすると、どもりを気にして人前で話すことに苦痛を感じるようになったり、
場合によっては、うつや対人恐怖症、引きこもりなどの症状がでることもあります。
このように、吃音症は、本人が自覚してしまうと、
より治りにくいといった面があります。
ですから、お子さんが吃音で悩んでいる場合、
本人が気にする前の幼少期の早期治療が重要であるといえるでしょう。
この時期の吃音は、環境の調整で治ることも多いので、早めの治療を心がけましょう。